体外受精 受精卵の運命
DAY14(生理開始から14日目)の採卵後、お腹が痛くて帰ってからはほぼ寝ていました。
次の日のDAY15は受精確認の日でした。
私の行っているDクリニックでは、培養士さん直通の番号に、指定された日時にこちらから電話をして結果を聞くシステムです。
私の場合はDAY15の13:10。(分刻み…!)
まだちょっとお腹は痛かったものの、体調はほぼいつも通りでした。
午前中ずっとそわそわしながら仕事をし、昼休みが終わる頃に電話しました。
「採卵数3個のうち、2個受精しました。」
…2個…!良かった!
採卵した全数が受精するとは最初から思ってなかったので、2個は受精できててホッとしました。
さて、この受精卵はこの後、子宮に「移植」をするという流れになりますが、移植のタイミングは2種類あり、それによって受精卵もそのまま移植するのか、一旦「凍結」するのか、扱いも変わります。
まず採卵の数日後にすぐに移植する方法。
この場合は、受精卵は凍結せずそのまま移植します。
凍結しないので「新鮮胚」といい、この移植方法を「新鮮胚移植」といいます。
もう一つは、採卵後すぐに移植はせず、次の生理が来た以降の排卵後に移植をする方法です。
そのため、受精卵を一旦凍結させておきます。
移植直前に融解して移植する方法を「凍結胚移植」といいます。
受精卵を凍結なんて…
大丈夫なの?卵は死なないの?なんか悪くなったりしないの?
と、ちょっと怖い気がしますが、凍結胚移植の方が着床率は高いと言われています。(ただし管理費などで凍結の方が費用はかかる)
新鮮胚をすぐに移植となると、卵巣刺激のホルモン剤の影響等で子宮内膜が薄くなっていたりして、子宮が着床の準備ができていない状態だからだそうです。
私も毎日注射による卵巣刺激法だったので、今回は移植せず、受精卵を凍結することにしました。
そして凍結するタイミングにも何段階かあります。
受精卵は「胚」と呼ばれ、2分割、4分割、8分割…と細胞が分割していきます。
この8分割まで進んだ状態(だいたい受精から2〜3日目ぐらい)で凍結すると「初期胚」と呼ばれます。
さらに分割が進み、着床段階までいくと「胚盤胞」と呼ばれます。(だいたい5〜6日目ぐらい)
(生物の授業思い出す…カエルの細胞分裂…)
初期胚は、体外での培養による負荷は少なく済ませられるけど、その後胚盤胞まで育たない可能性もある事等から、胚盤胞の方が着床率は高いと言われています。
(自然妊娠でも、卵管で受精し、分割しながら子宮に移動し、胚盤胞の段階で子宮に着床するらしいので、胚盤胞を移植する方が自然に近い?とかなんとか。知らんけど。)
私は受精卵2つとも、胚盤胞凍結を希望しました。
無事に胚盤胞まで育ち、凍結できたかどうかは、DAY20つまり受精から6日目にDクリニックに行って、採卵後の卵巣や子宮の状態確認を兼ねて聞きに行くことになっていました。
この数日間は、色々調べても何も変わらんし、もう祈るしかないので、
普段通りに過ごしました。
そして、、、凍結確認の日。
1人でDクリニックへ行きました。
10時に受付を済ませ、A子先生の面談に呼ばれる。
胚の培養結果の紙を目の前に出され、こう言われました。
「今回は残念ながら胚盤胞まで育たず、2つとも凍結できませんでした。。」
…え…
うそ…
その瞬間涙が溢れてきて、必死に堪えようとしてたけど、
先生の心中察したような寄り添った言葉がけで余計に涙が出てきました。
先生こんな感じのこと言ってたと思う。
「3日目までは順調に8分割まで育ったんですが、、
その後胚盤胞の一歩手前というところまで来て、6日目の今日も引き続き成長見てたんですけど…。。
ただ、仮に3日目の初期胚のところで凍結してたら良かったかというと、結局それで移植しても育たなかった可能性が高いですね。。
…どっちにしても、残念ですが…今回は妊娠につながる受精卵ではなかったかもしれませんね。。」
先生との面談は終わり、培養士面談のため一旦待合室へ。
待合室で下を向きながら必死に泣くのを堪え(られてなかったけど)
培養士さん(女性)に呼ばれ、個室で2人きりで培養の結果の詳しい説明を受けました。
まだ現実が受け止めきれずの状態でしたが…
この培養士さんの話し方が独特すぎて、急に冷静になる。笑
感情込めようとしてるのか、エレベーターガールのような抑揚で、さらに声を絞り出すように喋るから、それがおかしくて、ツッコみたいし笑いたいし誰かにも聞いてもらいたいしでもう全然内容が頭に入ってこず…笑
いや、笑える状況ちゃうやろ、と思いつつ、ちょっと悲しい感情忘れさせてくれて良かったです。笑
あと実は、前日から気持ち悪くて頭痛やだるさがあったり、夜中お腹が痛くて何回も起きたり、この日もムカムカしていました。
先生にそのことを伝えると、採卵の刺激で卵巣が一時的に腫れてるように見えるので、それのせいかもしれません、また4日後にもう一回見せに来てくださいと言われました。。
また、子宮内膜症がまだ燻ってる可能性もあるので、次の周期はピルを飲んで排卵を止めて様子を見て、採卵は、2ヶ月後以降に再挑戦のほうがいいかも、
とのことでした。
会計を済ませ、クリニックのビルの外に出た時、
急に悲しさと悔しさが込み上げてきて、いっぱい人が行き交う都会のビルの前で大泣きしてしまいました。。
あれだけ注射頑張ったのに、、、
また採卵からやり直し、、、また注射の日々がやってくる。。
子宮内膜症も2回も手術したのにまた邪魔してくる、、、
ビルの看板みたいなとこに隠れて泣いてたけど、多分横から丸見えやし周りの人も引くぐらい嗚咽してたと思う。。(トイレとか行けよ)
思う存分涙を出し切って、旦那にLINEしたら「美味しいもんでも食べ」というアドバイスを頂戴したので、スタバで飲んでみたかった季節限定のチョコレートなんとかフラペチーノを飲み…
(体冷やさないように普段は冷たい飲み物は飲まないけど、この日は飲んでやった!
1月だったので、案の定めちゃくちゃ冷えた!!笑)
ほぼ泣き顔のまま仕事に行きました。
〜〜〜〜〜
※この記事を書いている今はもう体外受精が保険適用になったので、参考にならないと思いますが、記録として今回かかった費用載せておきます。
DAY1〜13の診察や注射代等合計:122,270円
DAY14の採卵日(採卵管理費・投薬):85,784円
DAY15〜20の培養期間(顕微受精・管理費等):278,380円
採卵だけで1周期:486,434円
もう、なんか感覚狂うよね。
移植はまた別でお金かかるからね。。
まりの