やめてもいいんだよ

不妊治療の備忘録

体外受精 初めての自己注射

31歳になった2022年1月、体外受精に向けての準備を始めました。


体外受精はざっくり言うと、卵子を採り出して(採卵)、同じく採り出した精子と受精させて、受精卵を子宮に戻す(移植)というやり方ですが、

細かく言うと、卵の育て方(卵巣刺激法)、採卵の仕方、受精のさせ方、受精卵の移植タイミング etc…

それぞれの段階でいくつか方法があり、その人に合わせたやり方が選択されます。


まず卵の育て方は、特に何もしないー低刺激ー高刺激、という感じで、卵巣への刺激の程度によって何段階かあり、各段階でも何種類かやり方があるみたいです。


薬の内服のみ等、体への負担は少なくできるだけ自然に近い方法の低刺激に対して、

高刺激というのは注射を伴い、体への負担や費用も低刺激よりかかるけど、卵を複数育てたり排卵のコントロールもしやすい方法のようです。

(注射+経口薬や点鼻薬を併用するパターン等、本当に様々あるみたいです)



私の場合は、生理2日目にDクリニックに行き、早速今日から毎日注射をして準備していきましょう、と言われました。

つまり高刺激。


せっかく体外受精をやるなら、多少費用がかかってでも、少しでも可能性の高いやり方でやりたいと思っていたし、

事前に読んでいた本の知識で、体外受精では注射をする方法が多いというのも知っていました。


それに、まだ人工授精も開始していない頃に、不妊治療をテーマにした「プライベート・ライフ」という映画を夫婦で観たことがありました。

そこで、家で毎日注射をする描写がありました。

こんなこともしないといけなくなるのかもしれんな…

と思っていました。

(この映画、すごいリアルに描いてるので、経験してる人には観るの苦しいかもしれないし、日本では認められていない技術も出てくるけど、不妊治療してる人の気持ちとか分かりやすくておすすめです!Netflixで観れます。)


だから、毎日注射をしていく、と言われても、

やっぱりそうやんな。」ぐらいの感覚で、覚悟はできていました。。




こうして、採卵まで毎日注射の日々が始まりました。



この日は、まず採血をしてホルモンの値を確認されました。

そして診察後に、1日目のホルモン注射。


(1日に2回も注射されるんかい……辛)


覚悟はしてたけど、私は注射は決して得意ではありません。

針が入る時〜抜ける時まで絶対に見ないし、別のところを向いた上で目をつぶって終わるまで耐える派です。


血を抜かれる注射はさすがにこれだけ頻繁にやってたら慣れたけど(嫌やけど)、何かを体に入れられるパターンの注射の方がやっぱり痛いし、苦手意識は強い。

(※MRIの注射のトラウマあり(←まだ言う))


ホルモン注射は、皮下注射で、私の場合は「フォリルモンP」という薬を225単位でした。(単位ってよく分からんけどこういう言い方するらしい(笑)300とか投与する場合もあるけど私はとりあえずこの量からという判断でした)

脳の、ホルモンを司る部分?に作用して卵巣を刺激させ、排卵を誘発する薬らしい。

(聴こえていますか…今私はあなたの脳に直接働きかけています…)


フォリルモンが溶けた注射を、肘のちょっと上ぐらいの腕の外側に打たれる。

薬がぐーっと入ってくる感じがやっぱり痛い。

注射が終わってもしばらく嫌な感覚は残ってて、耐えられないことはないけど毎日これはちょっと憂鬱になるレベル。。

先が思いやられました。



ところで、注射は毎日打たないといけないけど、注射のためだけにDクリニックまで毎日通うのは私にとっては結構大変でした。(片道1時間半〜2時間)

ただし、自己注射ができるようになれば、毎日通う必要はないとのこと。


自己注射も想像しただけでも怖いけど、毎日通う方がしんどいかな…と思い、自己注射を希望しました。


自己注射は指導を受けてからでないとできず、指導日は限られていました。

私の場合は最短で明後日の指導の予約が取れる、とのことで、

次の日は注射のためだけに通院し、その次の日に自己注射の指導を受けに行きました。



私の他にもう1人患者さんがいて、看護師さん1人から一緒に指導を受けました。

注射キットはこんな感じ。


手順はざっくりとこんな感じ。

①緑の注射針を青の注射器に取り付ける

②小さいビンの中の水を吸い上げる

③吸い上げた水を薬のビンの中に入れて溶かし、薬が溶けた液体をまた吸い上げる

④茶色い注射針に付け替える

⑤お腹にさす

※本当は消毒したり、粉が残らないようにビンを弾いたり等色々細かい注意点があります


注射器を片手で操作しながら液体を吸い上げるのが難しくて手こずる。

そっか…そうやんな…注射液を作るところから自分でやるんやな…と当たり前のことを思いながら作業する。。



もう1人の方が先に準備を終えると、

「では早速打ってみましょう」と促されていました。


え、ここで!?

…いや、まあそりゃそうやんな。何のために作ってるねん。

でも見られるのもプレッシャーやな…


などと思ってると、もう1人の方は割と躊躇なく、座ったまま刺し、「あ、思ってたより大丈夫」とか言いながらやってのけられました。


(まじか…!!!すごいな…!!)



内心そう思いながら、私も準備ができてしまった。

なんか座ってやるのが怖くて、2人の前で立ってお腹を露わにし、深呼吸。


お腹を何ヶ所かつかみ、大丈夫そうな所を探してみるけど、、、全然分からん!

でも私で時間を取っている場合ではない、早く終わらせてしまわないと…!


いつもなら目を逸らしてれば終わるけど、これは絶対に目は逸らせないし終わらない。

自分で自分に針を刺すのは物凄い恐怖だったけど、なんとか勢いで刺せました。


が、、、


え、痛い…!?痛いけど!?

でももう場所を変えるわけにはいかない。

針は1.5〜2cmぐらい?で、刺したら一番奥まで刺さないといけない。


奥まで刺してる間は不思議と痛みは感じない。

しかし、注射器を押して薬を入れていくと…


え!!!痛いけど!?!?!?

薬入るの遅い…!早く!早く終わりたい!

早く入ってう゛う゛う゛…


なんとか薬を入れ切って、針を抜きました。


もう1人の方がケロっとしてるのが信じられないぐらい、痛かった、、、

これを明日からも毎日やるんか…!?私やばいのでは…!?



痛かったので不安と看護師さんに言うと、

「痛点に当たると痛い可能性が高いです。でも看護師でも痛点がどこかは見分けられないので、私たちがやっても痛くなっちゃうこともあります…

でも、多くの患者さんが、腕よりもお腹の方が痛くないと言われるので、痛点に当たらなければそこまで痛くないかもしれません。

お腹の真ん中に近いよりも、脇腹に近い方が痛くないと聞きます。

どうしても自分ではできない場合は、来てもらって看護師から注射もできます。」

とのこと…


今日はたまたま痛点に当たってしまったのか…??

もう1人の方みたいに、座ってやった方が痛くないのか?

明日からは痛点に当たらないことを祈るしかない。。

脇腹の脂肪が多そうな所を狙おう。。



この3日間で、診察料、採血、注射代(次の2日間分含む)、自己注射指導料など、

あわせて41,630円。



…た、高い…!!!!

これだけで人工授精1回を上回っている…!


なんせ注射代が高い。

1回分で5,000円近くする。

自己注射指導で5,000円。(日曜の指導だったので2,000円の休日加算)

なるほど…体外受精は何十万もすると聞いていたけど、こうやってちょこちょこ払ってるうちに、何十万円とかかっていくのか。。


そう身に染みて感じながら、翌日と翌々日の分の注射をもらって、帰宅しました。



まりの