治療費(保険適用前)
2022年4月から、不妊治療が保険適用になったことは、ニュースでもよく取り上げられていたので、知っている方も多いと思います。
この時保険適用になったのは主に体外受精です。
それまでは体外受精は全額自費である代わりに、条件を満たせば助成金をもらえるというシステムでした。
私は保険適用後まで体外受精をするのを待つか悩みましたが、結局は待たずに、2022年1月~開始しました。
ということで、すでに保険適用になっているのでこれから治療される方の参考にはならないと思いますが、一応私の治療費のことを残しておきたいと思います。
2022年3月~の周期分
◆採卵期◆
・注射(自己注射含む)、検査等:94,940円
・採卵、管理費等:85,784円
合計:180,724円
◆体外受精期◆
・顕微授精費:275,000円
・凍結保存費:58,300円
合計:333,300円
◆移植期◆
・ホルモン剤、検査等:43,285円
・胚盤胞移植手術費:147,730円
合計:191,015円
※移植は4月でしたが、3月からの一連の治療ということで、保険適用対象にはなりませんでした。
◆着床期(不妊治療クリニック卒業まで)◆
・ホルモン剤、検査等:70,813円
合計:70,813円
すべての合計:775,852円
前回凍結までできずに終わってしまった1月の周期の486,434円を足すと、
1,262,286円…!?
(ちなみに、採卵後から通い始めた鍼灸院費もある。まあこれは完全に任意ですが、実は今もずっと通い続けていて、月に15,000~40,000円ぐらいかかっている……)
改めて書き出してみると恐ろしい…
(でも当たり前やけど何度も経験している方は当然もっとかかっているわけですが…)
そして助成金ですが、結論から言うと私の場合、大阪府からの助成金が1回あたり30万円、今住んでいる市独自の補助金が1回あたり5万円、対象となりました。
なので1月分と3~4月分の2回で35万円ずつ返ってきたので、自費は1月で136,434円、3~4月で425,852円、合計562,286円だったということになります。
府からも市からも助成金がもらえて、払った分の55%ぐらいを賄えて私はラッキーな方だったと思います。
というのも、令和1年までは、世帯年収730万円以上ある夫婦は、助成金の対象外という所得制限がありました。また2回目以降は助成金額は30万円ではなく15万円でした。
それが、令和2年度に所得制限が撤廃され、2回目以降も助成金額が30万円のままというふうに条件が拡充されました。
なので、令和1年度までの制度だと、共働きの我が家はそもそも所得制限に引っ掛かり、助成金すらもらえなかったと思います。
また市独自の補助金は、もちろん実施していない自治体も多くあるので、今の市に住んでいてラッキーでした。
ただ、助成金の申請はかなり面倒でした。
まずは大阪府に申請し、その承認が下りてから市に申請します。
大阪府への申請は、以下を揃えないといけませんでした。
①府のHPからダウンロードできる申請書
②クリニック等から発行された不妊治療証明書
③夫婦の住民票
④戸籍謄本(夫婦であることを証明する書類)
⑥申請書の振込口座のコピー
⑤の領収書は全部保管してたのでそんなに困らなかったけど、特に③と④がめんどくさかった…!
マイナンバーカードを持ってるから、コンビニから発行できると思っていたら、本籍が引っ越し前のままで、今住んでいる市と違うせいでコンビニはもちろん今の市役所でも発行できなかった…
なのでわざわざ平日に、前の市の役所まで行って発行してもらいました…
なんとか全部書類を準備して、市の保健所に提出すると、助成金の認定および振込は4ヶ月ぐらいかかるとのこと…!なっが!
ということで、忘れた頃の9月末に大阪府から助成金が振り込まれました。
その証明書を持って、今度は市の保健センターへ申請に行き、この前10月末に無事補助金が振り込まれました。
私は2回分をまとめて申請したけど、それでも府と市の両方申請しに行かないといけなかったし、時間もかなりかかったし、大変でした…
今は保険適用になったので、そういう手間もかからないし、さらにハードルが下がったのではないかなと思います。
しかも、保険適用だと3割負担で済むので、単純計算で行くと、保険適用だったら私の場合は自費378,686円ぐらいになり、今回実際に払ったより18万円ぐらい安く済んだ可能性があります。
※ただ、不妊治療の中でも、まだ保険適用にならない治療法はあるし、保険適用と同時に助成金制度がなくなったので、保険適用にならなかった部分は全部自費になるので、人によっては保険適用になって自費が高くなってしまった人もいると思います。
私はどれが保険適用でどれが適用でないのかちゃんと把握できてないので、保険適用になってから同じ治療をして自費が安くなったのかは分かりません;
保険適用になってからの実態は分からないので書けませんが、
これを書くにあたって国の不妊治療の支援事業の変遷を軽く見ただけでも、かなり不妊治療への支援は拡充され注目されてきているなと思いました。
でも、初めて産科に移った時に衝撃だったのが、妊婦検診の補助金のありがたさ。
今って妊婦検診で使える受診券っていうのがあるんですね。
市の保健センターに行くと母子手帳とかマタニティマークとかと一緒にもらえるんですけど、自治体にもよるけどだいたい14回分ぐらいでトータル10万円前後を賄ってくれるクーポンみたいなもの。
私の場合は、不妊治療クリニックで既に妊娠判定が出ていたので、産科に初めて行った時はもうこの受診券が使えたんですけど、
会計しようとしたら
「今日は受診券ですべて賄えていますので、費用はかかりません。」
と言われタダで帰ってきました…
え!?そんなことあるん!?笑
それまで、不妊治療クリニックに経過観察のため週1回通い、ホルモン剤をもらったりして毎回13,000円ぐらい払ってたので、落差がすごすぎて拍子抜けしました。
妊婦になった途端補助めっちゃあるやん…
と思ってしまいました。笑
いや、今は保険適用なので不妊治療費ももっと自費安いかもしれないけど…
でもヨーロッパの国の多くは、条件を満たせば体外受精も100%保険で賄えて自己負担なしの国もあるようです。
それに比べると、日本では保険適用で3割負担のみになったとはいえ、まだトータルで何十万もかかると思います。
少子化が進んでいると言われている中で、日本はまだまだ妊婦や子持ち世帯への支援や力の入れ具合に比べて、不妊治療に対する力の入れ方はまだ少ないなと感じてしまいます……
あ、ちなみに!医療保険に入っている人は、不妊治療が保険適用になったので、医療保険の給付対象になるかもしれないみたいです。
請求お忘れなく~!(私もこれを知ってたら治療を後倒ししたかもしれない…泣)
まりの
移植判定日
※不妊治療中の方閲覧注意
移植日の翌日から毎日、ネットで「移植後 妊娠 症状 いつから」「妊娠超初期症状」などと検索しては、自分と当てはまる症状はないか探しまくりました。
移植してから、着床するまでに3~5日ほどかかる、
早い人は1週間ほどで、熱っぽさ、倦怠感、吐き気、頭痛などの妊娠初期症状を感じることがある。
等と書いていました。
基礎体温は36.75℃前後を行ったり来たりして、下がることはないものの、移植後4日ほどは何の変化も感じませんでした。
しかし5日目の時、今まで経験してきた生理前の腹痛のような鈍痛を感じ、一気に不安になりました…
6日目、体温が36.60℃に下がって、胃の不快感も感じました。
やばい。よくない流れになってる。。?
7日目、体温は36.73℃に戻ってちょっと安心。
ただ、生理前っぽい腹痛と、胃から下腹部にかけて違和感はあり、引き続き不安でした。
この日は鍼灸院にも行きました。
8日目、体温は36.83℃で、寝転ぶと胃に不快感があるのは変わらず。
あと、移植後も続けていたホルモン剤3種(エストラーナテープ、デュファストン、ルテウム)のどれかの影響なのか他の原因があるのか分からないけど、足に赤い斑点ができるようになっていました。
痛くも痒くもないけど、見た目が結構気持ち悪いので気になっていました。
9日目、体温は36.79℃。妊娠判定日前日です。
相変わらず胃が気持ち悪く、妊娠症状で検索して出てくるような症状は全く感じませんでした…
そしてとうとう10日目、妊娠判定日でした。
体温が35℃台になる夢を見て、目が覚めてドキドキしていました。
実際測ってみたら36.77℃で下がっていなかったのでちょっとだけ安心…
胃は引き続き気持ち悪いままでした。
妊娠判定は、病院で血液検査をして判定してもらいます。
病院での判定の前に、市販の妊娠検査薬で先に検査する人もいますが、私は結局しないまま病院に行きました。
判定日は、旦那は仕事が休めず来れなかったけど、母が一緒についてきてくれることになりました。
これまでも妊娠してるかも…!と期待して数日待ってるうちに、生理が来てしまって結局ダメだった。。という経験を何回もしてきたので、
ちょっと緊張するけど、妊娠できてたら嬉しいな、ぐらいに期待度は低めで行きました。
コロナの関係で母はクリニック内には入れなかったので、近くで待ってくれることに。
この日は混んでいて、11時ぐらいに採血し、13時過ぎにやっと呼ばれました。
診察室に入って、先生が開口一番、
「着床してますよ~!!」
信じられなくて、えっ!?!?と言った後、めちゃくちゃ涙が溢れてきました。
正直、自分の心を守るために、残念な結果を言われるシミュレーションばっかり頭の中でして覚悟していました。
だから、拍子抜けしたというか、ホッとしたというか、、、
血液検査の値も見せてくれました。
hCGというホルモンの値で判断するのですが、100以上あれば良いところ、216ぐらいでした。
「良かったですね~!おめでとうございます。」
と先生に送り出され、診察室を出ました。
それでもまだ全く実感はないまま、トイレに行って旦那に電話し、震える声で「着床、してた」と伝えました。
喜怒哀楽の表現の少ない旦那だけど、ちょっとテンション高めで「良かったやん!!!」と喜んでいました。(あっさりかよ笑)
14時にやっと会計が終わり、近くのスタバで待ってくれていた母に「お待たせ~」と寄っていくと、その様子から「今日はまだ結果分らんかったん?」と聞かれました。
「…してた」と一言言うと、
「え!!!着床…してたん…」と言うなり、肩を震わせて大号泣してくれました。
しばらく泣いて、「良かったなあぁぁ…おめでとう。」と言ってくれ、私もつられて泣きました。
今まで毎回結果を報告したり、相談して励ましてくれたり、手術で入院するときは毎日のようにお見舞いに来てくれて、長い間心配をかけていた母の、肩を震わせて泣いてくれたあの姿は一生目に焼き付いて離れません…
母も半分、残念な結果を一緒に受け止める覚悟をしてくれてたと思います。
ついてきてくれて心強かったし感謝しかありませんでした。
遅めのお昼を食べ、母がお祝いにケーキを買ってくれて家に帰りました。
旦那と一緒に晩ご飯を食べた後、ケーキを食べました。
旦那は「ここにおる」と言いながら私のお腹をさすり、嬉しそうにしていました。笑
この日で妊娠4週と1日目。
予定日はなんと、私が生まれるときの予定日と全く同じ12月29日。
こんな不思議なこともあるんだな…とちょっと運命を感じました。
ただ、今までたくさんの不妊治療経験談を読んだり聞いたりしてきたので、
着床できたからと言って、ちゃんと妊娠が継続してくれるかは分からない、油断はできないな、という気持ちで、手放しでは喜べない気持ちも正直ありました。
実際、判定日の3日後、下腹部がチクチクして生理痛のような腹痛があり、妊娠の症状なのかもしれないけど、赤ちゃんが離れてしまって、生理が始まっちゃうんじゃないかと思いました。
判定の1週間後、経過観察のためDクリニックに行きました。
内診室でいつもの経膣の超音波検査が始まり、モニターを見ていると、7~8mmぐらいの赤ちゃんの袋が見えました。
まだ黒い点のようなものだったけど、姿が見えた瞬間涙が出てきました。
ちゃんとしがみついてくれてた…!
この時初めてエコー写真をもらいました。(不妊治療の時はエコー写真は特にもらわない)
hCGの値も2330まで上がっており、子宮外妊娠の可能性もほぼないと思います、おめでとうございます。と言ってもらえました。
さらにその1週間後には、心臓の部分が確認でき、ピコピコピコと動いているのが見えました。
小さかったけど、確かに生命が生きてるんだ…!と思い、感動でまた涙が溢れてきました…
順調に育ってくれてありがとう。
その後、週1回Dクリニックに通い、8週0日の日に、ついにDクリニックを卒業しました。
今後は産院に転院してくださいと言われ、今後の生活についての注意点など教えてもらい、最後にもう一回「おめでとうございます」と言ってもらいました。
先生の直筆メッセージ入りの卒業記念品ももらいました。
正直、こんな日が来るなんて想像できなかった。
Dクリニックのカルテ番号は、気付いたら私よりも2000番ぐらい後の番号の人も出てきてた。
妊娠判定日まではずっと、このカルテ番号が気になっていました。
私が2年前に初めてDクリニックに来た時から、もう2000人も新しい人が来るぐらい日が経って、私と同じぐらいの番号の人は今どうしてるんだろうか…みんな妊娠して卒業したのかな…
でももちろん私より番号が早い人もいて、その意味を考えるたびに不安になって苦しくなっていた。
でも、幸い赤ちゃんはその後も順調にお腹の中で育ってくれ、今これを書いている現在、妊娠8ヶ月目になりました。
まだまだこれから何があるか分からないので、油断も安心もできませんが、
採卵は2回目、移植は1回目の挑戦で妊娠できたことは、本当に奇跡だと思います。
他の経験談等を読んでいたので、不妊治療をしてすぐに妊娠できたような経験談を見ると、羨ましいし「すぐできてマシな方やん」みたいに、ちょっと僻みのような感情も抱いてしまっていました。
そして、もっと体外受精を何回もやる覚悟でいたし、「不妊治療のやめどき」という本を読んだりして、何回までやるのか等、やめどきもずっと考えていました。。
だから、今不妊治療中の方がこの記事を読んだら、素直に喜べない気持ちはあるかもしれない。(というか、自分だったら素直に喜べないかもしれない)
この感情を、私は不妊治療経験者としてこれからも忘れたくないし、これからも同じように不妊治療をしている方に寄り添える人間でありたいと思います。。
ちょっととりとめがなくなったけど、今日はここまで。。。
今後も、助成金の申請の話や、不妊治療経験者としての妊娠生活で思うこと等書こうかなと思っています。
まりの
移植日当日
DAY20。移植日当日は、旦那も休みを取ってくれました。
もしこれで妊娠できたら、しばらくお寿司は食べられないかもしれない。
ということで、お昼は回らないお寿司を予約して食べに行きました。笑
さわらとアジがおいしかったな~
13:30、Dクリニックに着きました。
まずは培養士さんとの面談。
今回移植するのは、1ヶ月前に凍結した、グレード4BCの胚盤胞のうちの1つ。
もう1つは引き続き凍結です。
胚盤胞は無事に解凍され、移植できる状態になっているとのこと。
移植方法として、胚盤胞まで育てた培養液を、移植の2~3日前に注入しておくというSEET法というのがあります。
これで妊娠率が上がると考える方法みたいですが、Dクリニックでは、SEET法をしてもしなくてもあまり妊娠率に差がないとのことで、私はSEET法はしませんでした。
培養士面談後、旦那は入れないのでクリニックの近くで待ってくれることに。
私は採卵の時と同様、紙スカートなどの手術着に着替え、手術室に案内されました。
始めに、子宮鏡を入れて子宮の中を見て、移植しても問題なさそうか確認されました。
子宮の内膜の厚さも十分あり、移植できそうとのことで、一安心…
そして入り口を広げる機械みたいなのでちょっと膨らまされた後、移植用の管が入ってきました。
絶対にミスは許されないという空気で、看護師さん、培養士さん、先生の3人がそれぞれ、何回も私のカルテ番号と名前を連呼して確認しながら進めてたのがなんともシュールでした。
人工授精の時は内診室でしたが、この体外受精の移植は手術室だし、培養士さんもいるし、大掛かりでちょっと痛みもあったけど、全然我慢できるぐらいでした。
移植した後先生が、超音波で移植した箇所を見せてくれました。
ぼや~っと培養液に包まれた小さい丸が見えました。
言われなければこれが胚盤胞だとは分からなかったけど、今、この瞬間からお腹にいる。
そう思うとすごく不思議な感じでした。
このまま、お腹の中にしがみついて、元気に育ってよ~~~!!!
チョコレート嚢胞、邪魔しないでよ~~~!!!
そう願いながら、手術室を出ました。
その後、採血結果を聞き、今後のスケジュールを聞きました。
引き続き、テープ・飲み薬・座薬の3種類のホルモン剤は続けるようにとのことで、追加分を渡されました。
(正直、座薬は入れるのも毎回嫌な感じだし、安静にしていないといけないのも時間がかかるし、、、そして前回書き忘れてたけど、何よりも嫌なのがナプキンを貼っていてもパンツが汚れる…!
薬剤がナプキンを通過するのか…?色々種類は変えてみたけど、ナプキンののり?がパンツについて、毎日手洗いをしないといけないのが面倒で、まだ続けないといけないのか…とちょっとガッカリした。笑
私のやり方が悪いのか…?)
お会計後、旦那と合流して、その後は買い物に行ったり映画を観たり、楽しい1日を過ごせました。
あと、前々回書いた通り、この移植日の前日と翌日は、G鍼灸院で移植がうまくいくツボに鍼とお灸をしてもらいました。
加えて、舌の状態を確認されました。
私は舌の側面に歯形がついてガタガタしていて、体がむくんでいる証拠とのこと。
東洋医学では、舌の先のほうが頭、奥のほうが下半身側の状態を表していると考えられていて、舌の先はひび割れてるけど、奥のほうは少し苔がついていたので、子宮も含む下半身のほうが少し冷えている証拠とのことでした。
体を温めて、循環をよくするために、入浴(もしくは足湯)をしっかりし、頻繁に深呼吸を続けるよう指導されました。
そして足のツボに置くお灸も続けました。
妊娠しているかどうかの判定日は、移植日の10日後に決まりました。
次回、妊娠判定に続く。
まりの
移植に向けた準備
採卵後、次の生理が始まりました。
順調にいけば、この生理から20日目あたりに移植となります。
移植に向けて子宮や体の状態を整えるため、ホルモン補充を開始しました。
生理3日目(DAY3と書きます)から、「エストラーナ」というテープを2日に1回お腹か背中(子宮あたり)に貼るよう言われました。
3枚でワンセット。お風呂あがりに貼って、次の次の日のお風呂の前に剥がす、というサイクル。
子宮内膜を厚くし、妊娠しやすくするためらしいです。
テープからホルモンを補充できるなんて驚き。笑
次はDAY14にDクリニックに行き、子宮内膜の状態確認と、血液検査をしてもらいました。
経膣超音波で右のほうをグリグリされた時、先生がボソッと「あー、チョコレート嚢胞が…」と呟いた気が…
え?また?また再発!?一気に不安が押し寄せる。
その後聞いてみると、やっぱり右の卵巣に1.7cm程度の影が見えるので、チョコレート嚢胞かもしれないとのこと…
なんでこんなにできやすいのか…なんでこんなに邪魔しようとしてくるのか…
ただ、子宮内膜の厚さは十分になってきてるし、血液検査の結果も問題ない(E2の値が200以上ある)ので、移植はできそうということで、
移植日はDAY20に決まりました。
移植日に向けて、エストラーナテープは継続、さらに飲み薬と座薬が増えました。
飲み薬は、今までも飲んだことのある「デュファストン」黄体ホルモンを補充する薬。
そして座薬は、「ルテウム」というお尻ではなく膣に入れるタイプのやつ…
指の第二関節ぐらいまでしっかり押し込むよう言われた…(タンポンとかも苦手なタイプなので怖い…)
デュファストンは朝昼晩の3回、ルテウムは朝晩の2回。
この時、前回の記事で書いたお灸も毎日やってたので、4種類それぞれタイミングも違うし忘れそうになりながら毎日やってました。(実際1~2回忘れたことあり。笑)
しかも、この膣用座薬、入れてから30分ぐらいは安静にしてないといけない(歩くのも極力×)ので、時間的余裕も必要。
私は洗濯機まわしてから座薬を入れてソファで横になってゆっくりし、洗濯が終わるのを待つなどして過ごしました。笑
幸い、私は今自分で仕事の時間を調整して好きな時間に働ける環境なので、余裕をもって投薬できたけど、そうでない人は結構厳しいのでは…と思います。。
次回、移植につづく。
まりの
鍼灸院デビュー
前回、受精卵は無事に2つ凍結できました。
このあと、十分子宮の状態を整えてから、受精卵を子宮に戻す「移植」の段階に移ります。
ここまで来たら、受精卵を絶対に無駄にしたくない。
そんな思いで、少しでも妊娠の可能性を高めるため、先輩の不妊治療経験者の方の経験談やネットで調べた情報などをもとに、不妊に効く鍼灸院に行ってみることにしました。
(本当は採卵の数か月前から行って体を整えておいたほうが効果は高まると思います)
ネットで調べまくり、会社と家からともに車で40分ぐらいのところにある、「不妊治療専門鍼灸」を謳っているG鍼灸院に決めました。
G鍼灸院では、最初にこれまでの治療歴を細かく書くのですが、
さすが不妊治療専門と謳っているだけあり、これまで何をやってきたか(タイミング法、人工授精、体外受精、顕微授精etc)今はどの段階か、今後どのようなスケジュールで不妊治療を進めていく予定か等、細かく書くようになっていました。
院長の奥さん自身も不妊治療経験者とのことで、事情も気持ちもよく分かってくれていたのが安心できました。
問診表を書き終えると、個室に案内されて用意された服に着替えます。
院長が担当で、鍼灸治療の基本的な考え方とか、今後の鍼灸治療の計画を話してくれました。
今は移植に向けての体質改善が必要なので、子宮の状態を良くする治療をしていく必要があるとのこと。
次は一週間後ぐらいに2回目、そして移植日が決まったら、移植日の前日と翌日に治療、そしてその1週間後ぐらいにまた治療、というスケジュールになりました。
治療は、髪の毛ぐらいの細い鍼(はり)をツボに刺す治療と、じんわり温かいお灸をツボにつける治療、あとは主にお腹(子宮)のあたりには、温めた石を置く治療などです。
鍼は初めてだったので怖かったけど、チクっと一瞬刺激は感じるものの、痛いほどではなく、お灸も石もじんわり温かくて気持ち良いというぐらい。
(ただ、お灸はツボによっては、同じ温度なのに熱くて耐えられないと感じたりすることもあり。これはそのツボが繋がっている体の部位に不調があるということらしいです)
鍼灸の治療に通うだけではなく、生活習慣の見直しの重要性も説明を受けました。
脳や心臓など生きる上で欠かせない臓器と違って、卵巣や子宮はいわば未来への投資の臓器。
東洋医学では、自分が生きるための睡眠が7時間とすると、赤ちゃんのための睡眠(子宮等に栄養を送る)として+2時間の睡眠が理想と考えるらしい。
もちろん、PM10時~AM2時のゴールデンタイムはできるだけ睡眠に充てる。
(私は元々寝るのが遅くて、AM1~2時ぐらいに寝ることもしょっちゅうでした…まずは0時までに寝てみましょうと言われました…笑)
また、東洋医学では「自律神経」が「血管」や「内臓」の機能をコントロールするため、この3つのバランスが大切と考え、このバランスを整える治療をするのが基本らしい。
私は実は自覚がほぼなかったのですが、肩と首の凝りがひどく、骨盤も後ろに傾いていて姿勢が悪いとのことでした。。
肩と首の凝りには、頭にあるツボに鍼を刺したらだいぶマシになったので、自律神経が乱れているという証拠ということで、マッサージとかよりリラックスできる音楽を聴いたりアロマを焚いたりして自律神経を整えるほうが効果があるとのこと。
そして朝昼晩、毎食ごはんを食べ終わった後とかでよいので、骨盤を立てて姿勢を正し、深呼吸を3回するように指導されました。
あと、家でも体を温められるよう、自分でできるお灸を買い、足のツボのところに印を書かれました(笑)
この日から毎日、左右計6ヶ所に自分でお灸を開始しました。
(燃えた後の粉が落ちちゃうので、5分ぐらい足の裏を合わせて座ってじっとしないといけない笑)
また、寝る時間も早くしていけるように心がけ、朝昼晩の深呼吸もなるべく忘れないよう毎回やるようにしました。
正直、鍼灸院での治療も含め、どれだけ効果があるのか半信半疑でした。
またG鍼灸院は1回30分程度の治療で7,700円。
不妊治療クリニックでの治療費も高い上にこれ以上お金をかけるべきか…
東洋医学は西洋医学と違ってそんなにすぐに効果が出るものでもないとも聞いていたし、今更始めて意味があるのか…
葛藤や不安はありました。
でも先生の説明はすごく説得力があったし、実際に鍼をした後すぐに首の硬さが全然違うかったし、
もう私にはできることはすべて信じてやるしかない!と思いました。
次回、移植に向けた準備に続きます。
まりの
2回目の挑戦 胚培養結果
前回書いた通り、採卵日に7つ卵が採れました。
それを培養士さんが顕微鏡で受精させ培養してくれて、胚盤胞という段階まで無事に育ったら、凍結して体に戻す準備ができます。
まず、途中経過として採卵日の2日後にDクリニックに電話をして確認しました。
7つのうち、2つは受精できる状態まで育たず。
さらにあと1つは受精はできたけど育たず。
ということで、この時点で正常受精できていたのは4つでした。
前回正常受精は2つだったので、倍になってる!
このまま、せめて1つだけでも凍結に至りますように…
そして採卵から6日後。
凍結結果を聞きにDクリニックに行きました。
3日目の時点(初期胚)で、8細胞まで分割していなければいけないところ、5分割までしかいかなかったものが1つあり、それは培養中止。。
3つが胚盤胞への培養へと進みました。
(そういえば生物で2→4→8→16→…と細胞分裂していくの習ったな)
ちなみに、胚のグレードというものがあるらしく、1が一番妊娠率が高く、5にいくほど低くなるというもの。
生き残った3つはどれも、グレード3でした。
グレード4以下だったら培養中止になってしまうので、ギリギリ…!
結果的に、6日の時点で凍結に至ったのは、「2つ」でした!!
前回はすべて成長が途中で止まり、凍結まで至らなかったので、めちゃくちゃ嬉しかった…(T T)
細かく言うと、3つのうち1つは、桑実胚という胚盤胞の一歩手前の段階で止まってしまいました。
生き残った2つは、これまたグレード?がつけられ、どちらも「4BC」という状態でした。
4は胚のステージ。1~6まであり、数字が大きくなるほど発育が進んでる状態。
BCは胚のグレード。AA~CCまであり、BCは下から2つ目。
AAが一番妊娠率が高く、DクリニックではBCの胚だと36%程度の実績だったとのこと。。
培養士さんは、これぐらいのグレードの方は多いし、そんなに悪い値ではないと言ってくれたけど、やっぱりちょっと不安でした…
やっと凍結まで至ったけど、次は移植というハードルがある。
無事着床するかどうか、もし着床したとして、ちゃんと育ってくれるのか…途中でさよならしてしまうことにならず、無事に出産まで至れるのか。。
まだまだたくさんの壁があることを実感し、妊娠・出産は本当に奇跡だなと改めて感じました。
次回、鍼灸院デビューにつづく。
まりの
2回目の挑戦 採卵編
2022年3月、2回目の採卵に向けてのホルモン投与等が始まりました。
DAY3(生理3日目)から、前回と同じくホルモン注射を開始。
子宮内膜症持ちには、通常より強めの刺激でないと卵胞が育ちにくいとのことで、前回より薬の量が増えました。
フォリルモンP、300単位をDAY5まで。
今回は、この時点で結構卵胞が見えてきているとのこと…!
左に6つ、右に4つ。
全部十分な大きさまで育ってくれますように…!
DAY6からは、卵胞を育てる薬がHMGフェリングに替わり、排卵を抑える効果のあるセトロタイドも追加で打つことになりました。
また毎日自己注射の日々が続きました。
薬剤を混ぜたりする手順は慣れたものの、注射するのはどうしても慣れません。
よくテレビで芸人さんとかが、バンジージャンプを飛ぶ直前で怖くなって、そこからどうしても飛べなくて何時間も経ってしまう…
という光景を見るけど、その気持ちがめちゃくちゃよく分かった。
お腹の肉をつまんで、アルコールシートで刺す箇所を拭いて、
いざ刺すぞ…!と決心して針がお腹に当たる直前まで行くけど、そこからがやっぱり怖くなってやめてしまう…
意を決して、もう一回つまみ直してアルコールで拭いて………っやっぱり無理!!!
というのを、気付いたら10分以上繰り返してしまってることもしょっちゅう。
薬剤は冷蔵庫保管の繊細なものなので、そんなに長い時間かけるのはよくないのも頭では分かりつつ、1回目の採卵周期の時よりも注射が怖くなって時間がかかってしまいました。
病院が近かったら、注射してもらいに行くのにな…
そんな毎日を乗り越え、卵胞の育ち具合は前回よりも順調でした。
採卵できるのは、16mm以上に育ってる卵胞で、今のところ左右ともに3個ずつありそう。
DAY12には採卵できるでしょうとのこと。
採卵の36〜38時間前に、最後のホルモン注射をしないといけないので、
DAY10の20時半に、HCG10000単位を無事、自己注射しました。
(やっと自己注射の日々が終わった…!!!)
そしてDAY12、採卵当日。
幸い旦那休みの日だったので、一緒に行きました。
(朝の8時15分に受付だったので6時半頃出発…!まあ、麻酔打つので化粧ダメ・絶飲食なので、朝ほとんどやることはない。笑)
まずは私の卵胞の具合を確認。
採卵できそうだったので、旦那も採精に向かいました。
私は前回同様、ダサめの青い検査用スカートとヘアキャップを身につけて待機。
看護師さんが点滴を打ちに来てくれて、その後手術室へ。
足を置くと自然に開脚させられるベッドの上に寝転び、点滴から麻酔を流します〜と言われる。
医師が出てきて私の股のところがライトで照らされたのを見たあたりから記憶なし…
次に目覚めた時は安静室のベッドの上で、横には前回同様、カロリーメイトとボディメンテが置いてありました。
時計を見ると、12時半。
…え!!!4時間ぐらい寝てた!!
起き上がってみて、ボディメンテを飲んだりして、動けそうか確認してから、旦那に戻ってきてもらうように連絡。
(いつ呼ばれるか分からんから病院の近くをひたすらウロウロしてたらしいごめん…)
まだ麻酔の影響で、ぼんやり気持ち悪いものの、歩けるようになったので、着替えて膣内のガーゼを抜いてもらいに内診室へ。
ドゥルルルルン、ズズズ、ズズズ…
という奇妙な感覚。ちょっと気持ち悪いけど、ガーゼが抜かれるとお腹が圧迫されてた感覚がなくなり、ちょっと楽になりました。
看護師さんから抗生物質と黄体ホルモン剤(デュファストン)をもらった後、培養士面談があり、旦那と一緒に聞きました。
採卵結果は、なんと7個…!
前回は3個だったので、倍以上採れたことにホッとしました。
(注射頑張って良かった泣)
前回の時の記事にも書きましたが、受精方法は選べます。
体外受精は卵子に精子をふりかける方法、顕微授精は培養士さんが精子を卵子に注入する方法。
顕微授精の方が値段は高いけど受精確率も高い。
卵子が複数採れた場合、いくつかを体外、いくつかを顕微と分けることもできるのですが、前回全て顕微だったのに胚盤胞に至らなかったトラウマもあり、今回も私達は7つ全て顕微授精を選びました。
値段は高くなってしまうけど…せっかく頑張ったこの周期を絶対無駄にしたくない…!
どうか、せめて1個だけでも成功しますように。
その日はお昼ご飯を食べたら、帰ってゆっくりしました。
次回、培養結果へつづく。
まりの